食の折り紙掲示板 

壁面制作で、ぬり絵と折り紙が両方楽しめる

健学社様の月刊誌『食育フォーラム』で、2009年春から2015年春まで隔月連載させていただいていた「食の掲示板」は、日本の四季折々の情景や歳時記と、旬の食べ物との関わりをテーマにした作品です。時には、ハロウィンやクリスマスなど、西洋から入ってきた行事も織り交ぜながら、毎回物語性のある楽しい掲示板を作りました。
『食育フォーラム』編集部のYさんが、作品掲載ページに、さまざまな歳時記や旬の野菜・果物などについて、興味深い解説を書いてくださっていました。

秋の風物詩をテーマにした「大根干し」の作品は、真っ白で立派な大根を大きな木に吊り下げると、うまみたっぷりの干し大根ができるというイメージです。

葉のついた白い大根と、葉を切り落として黄色くなった大根が折り紙作品です。大根以外の大きな木や落ち葉、包丁などは、すべてイラストです。折り紙作品とイラストがしっくり溶け合うように、木の幹や枝葉や包丁他も折り紙で折って形を創り出してから、イラスト化しています。 

  「大根干し 」    折り紙作品/大根  (難易度 ふつう)

※以下( )の中は、折り方の難易度を表記

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新鮮でみずみずしい大根をたくさん収穫したら、ふさふさの葉っぱを切り落として、大根干しの作業に取りかかります。庭先の大きな木の枝に何本も吊り下げて、冬の味覚、おいしい干し大根を待ちましょう。はらはらと舞い散った秋の枯葉は、こげ茶・茶、黄、黄土など、 いろいろな色で塗りましょう。大根の葉にも、緑や深緑など、異なった緑色の折り紙を使いましょう。

 

月刊「食育フォーラム」編集部・Yさんの書いた記事

季節を愛で、旬を感じる 食の折り紙掲示板
「寒空に大根干し」

隔月で掲載する折り紙を使った和みの掲示板。第5回は、空気が乾燥する冬の風物詩の「大根干し」を折り紙を使って表現しました。
この時季、大根をなぜわざわざ干して使うのでしょう。一般に野菜を干すと水分が抜け、当分やうま味が凝縮されて増すことが知られています。栄養価も上がり生の大根と切り干し大根を比べるとカルシウムで約23倍、食物繊維が約16倍、鉄分は約49倍にもなるそうです。さらに保存性がよくなり、たくさんとれた大根を無駄なく使い切れます。 まさに先人の知恵ですね。
干し方は丸のまま干す「丸干し大根」と、切ってから干す「切り干し大根」があります。じつは大根干しはこの時季、誰でもかんたんに作ることができます。煮物や汁ものの具、そして漬け物と干し大根を使った郷土料理は全国各地にあります。大みそか、お正月、節分と子どもたちが日本の伝統文化を肌で感じることが多くなる時季、ぜひ掲示板をきっかけに日本の食文化について教えてあげたいものですね。

 

『食育フォーラム』誌上にB5サイズほどの、下のような線だけの、色をぬっていないイラストが掲載されています。最終的にB2サイズほどの大きさにするため、一般的なコピー機(最大A3)を使う場合は雑誌の台紙をまず4等分して、それぞれを(1)B5→A4に拡大した後、(2) A4→A3に拡大します。最後にA3に拡大された用紙を4枚つなげると完成です。
拡大コピーをする際に、白い用紙を使わず、作品によっては、薄い水色や、クリーム色」などを使っても作品がより映えます。

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次に、木の幹や枝や葉、包丁などのイラストに、
自由に色を塗っていきます。
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下のような大根の折り方を説明するページを見ながら、
2種類の大根を何本か折っていきます。
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できあがった2種類の大根の折り紙作品

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木の枝に黄色い大根の折り紙作品を吊り下げるように張り付け、
木の下には白い大根を貼り付けて、掲示板の出来上がりです。

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大根干しは、かつての日本の秋の情景のひとつですが、お正月から年末までの、日本の食卓のワンシーン他を、ご紹介しましょう。 

春夏秋冬、なつかしい日本の食の情景

1月  「おもちつき 」 折り紙作品/もち ( かんたん)・みかん( ふつう)

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お正月の「お供え餅」は「鏡餅」とも言われ、年始に神仏に供えたり、祭礼に供えたりする餅です。「鏡餅」と呼ばれるのは、平たい餅が、昔の金属製の鏡の形を連想させたことからきています。

・創作メモ・ お餅は使う折紙の大きさによって、お供え用の大きいお餅が折り上がったり、黒いお盆の上に載った紅白の小さいお餅がおり上がったりします。お正月というより、お祝いごとに登場する紅白のお餅ですが、色味がきれいなので、あえて今作品にも登場させてみました。折りだし方が簡単なお餅は、小学校低学年でも折りだせます。

2月 「 いわしで夕ご飯 」   折り紙作品/いわし (こまかい)

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昔から節分の日には鬼打豆と称して、炒った大豆をまく習慣がありました。また、節分の日の夜に、柊(ひいらぎ)の枝と鰯(イワシ)の頭を門戸に挿すと、悪鬼を追い払えるという言い伝えもよく知られています。柊の葉は厚く光沢があり、葉の縁が棘のようにギザギザしているので、鬼が嫌うと考えられたようです。また、イワシもその強烈な臭いが、鬼を遠ざけるとされたのでしょう。

・創作メモ・ イワシがにがてな鬼の家族が、なぜか焼いたイワシの食事をとっている。そんなユーモラスなシーンを思い浮かべながら創った掲示板です。イラストの鬼のパパ・ママ、そして子どもたちの顔に、赤や青の色をぬりましょう。お茶わんやおはし、はし置きなども、カラフルに塗ってみましょう。イワシの折り紙作品は、背びれや尾ひれの切り込みなど細かい部分に注意して折ります。

3月 「 おひなさま」  折り紙作品/ひしもち (こまかい)・台 (ふつう)

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ひなの節句に備えるひしもちは、菱の実を粉にして作った餅です。菱はヒシ科の水草で、日本各地の池や沼に自生しています。ひしもちはひし形に切られ、ふつう紅・白・緑の順に三色重ねられて、今日に至るまで、ひな祭りの際には、ひなあられや甘酒などと共に供えられています。

・創作メモ・ ひな祭りのおだいり様とおひな様の着物を、色味を工夫しながらていねいに塗って仕上げてください。ぼんぼりや桃の花を塗り終ったら、ダイナミックなひし餅を、おひな様の前にふたつ貼り付けます。通常より大きな20センチ角の折り紙を使うので、大きなひし餅が出来上がります。ひし餅をのせた台はえんじ色にしても、優雅な作品が出来上がります。

4月 「 お花見 」  折り紙作品/だんご (かんたん)・皿 (かんたん)

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桜の花見はかつて貴族の遊興でしたが、江戸時代に入ると、しだいに庶民の間にも広がっていきました。「花よりだんご」と言われる花見だんごは、一般にもち米やうるち米を丸めて蒸したものです。三色の花見だんごの白は去りゆく冬の雪、ピンクは春の桜、緑はやがて来る夏の蓬(よもぎ)を連想させる色と言われています。

・創作メモ・ 桜の花びらが舞い散る、のどかな春の昼下がり、数種のおだんごを食べるイメージで創りました。大きな折り紙を使うと、何本ものおだんごを載せられる大皿ができます。皿の縁に好きな模様を描いたり、千代紙で折ったりしてみましょう。茶色の折り紙を使うとみたらしだんご、濃い緑の折り紙を使うと抹茶だんごなどができます。

5月  「こどもの日」  折り紙作品/かしわもち (ふつう)・皿 (かんたん)

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かしわ餅は餅菓子の一種で、米の粉を練り小豆あんや味噌あんを入れ、柏の葉に包んで蒸したものです。昔、りっぱな柏の葉は、食器や菓子器として使われていました。江戸時代ころから、端午の節句の際、かしわ餅はちまきと共に供えられるようになったといわれています。

・創作メモ・ 子どもの日、晴れ渡った青空に泳ぐ大きな鯉のぼりを、明るい色で鮮やかに塗ってください。かしわ餅は、まずお餅を折り出し、次に柏の葉を折って、葉っぱでお餅を上手にくるみます。ふっくらと立体感の出る、おいしそうなかしわ餅をたくさん折って、お皿の上に並べてください。

6月  「野原でおべんとう 折り紙作品/おにぎり 丸 (かんたん)三角 (ふつう)

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稲の果実から籾殻(もみがら)を除いたものが玄米、さらに糠(ぬか)を除いて精白したものが白米です。米は紀元前3〜1世紀ごろ、中国から朝鮮を経て、日本に伝わってきたと言われています。現在、世界の人口の半数は米を主食とし、小麦と共に最も重要な食糧穀物とされています。また、米は菓子や酒、味噌、醤油などの原料ともなる、栄養価の高い食べ物です。

・創作メモ・ タンポポやクローバーの咲く春の野原に、おにぎりをもってハイキングに行きましょう。おにぎりの形を丸く折りだして、赤いクレヨンやペンなどで梅干しを、黒でゴマの点模様を描けば、梅干しやゴマのおにぎりが出来上がります。黄色と緑で点模様を描いて、のり玉のおにぎりにするなど、いろいろ工夫してみましょう。三角の、のりのおにぎりは、黒い折り紙一枚の裏表を使って仕上げる作品なので、意外性が楽しめます。

7月  「冷たいスイカ 」  折り紙作品/カットスイカ (ふつう)

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スイカは「西瓜」と書き、ウリ科の一年草です。熱帯アフリカが原産と言われていますが、古くはエジプトなどで栽培されていたとのことです。スイカの果肉には赤・淡黄色・黄色などがあり、種も炒って食べられます。品種により小さいものから大きいものまであり、形も球形・楕円形とバラエティに富んでいます。近年では交配により、種のないスイカも生産されています。

・創作メモ・ 丸いスイカを4つに切って、それをまた小さく切りわけると、食べやすい三角のスイカになります。赤い折り紙と黄色い折り紙の2色を使って、赤と黄色のカットスイカを折ってみましょう。緑の皮の部分や黒い種はマジックなどで自由に描きましょう。丸いスイカの模様は、黒と緑のコントラスをはっきりと塗り分けます。

8月  「お祭りでかき氷」 折り紙作品/かき氷 (かんたん)・器 (こまかい)

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かき氷は「欠氷」とも書き、氷を欠き砕いたものです。地方によっては、「ぶっかき」、「こおりみず」、「こおりすい」、「ゆき」などとも呼ばれます。氷を削って雪状にしたものに、小豆や練乳、シロップなどをかけたべるかき氷は、日本の夏の風物詩です。

・創作メモ・ 手の平で打ち鳴らす水風船の音が聞こえてくるような、楽しい夏祭りの情景を作ってみました。夏まつりの縁日といえば、すぐに思い出されるのが、冷たいかき氷です。イチゴ・レモン・ メロン・ブルーハワイなど、好きな味のかき氷を折りましょう。水風船はカラフルにぬりましょう。

9月  「お月見」  折り紙作品/お月見だんご (かんたん)・台 (ふつう)

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古来より旧暦の8月15日の夜には、「十五夜のお月見」をする風習がありました。月下に栗や梨、おだんごなどを添え、秋の花を飾ります。一昔前は、お供えに盛られた小さなおだんごを、その家の近隣の子どもたちが盗んで食べてしまうこともありました。けれども、お月様がおだんごを受け取ったとされ、子どもは叱られなかったということです。

・創作メモ・ 風情あるお月見の情景は、おだんごの台、ススキや花瓶、梨や栗、ブドウなどを、落ち着いた色合いで統一感を出して塗りましょう。おだんごは折り方が簡単なので、小学校低学年のお子さんでも折り出せます。たくさんの小さなおだんごを、台の上に上手に盛り付けましょう。

10月  「ハロウィン 」  折り紙作品/かぼちゃ(ふつう)

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ハロウィンはケルト人の祝日だった10月31日で、ケルト歴では大みそかに当たります。ハロウィンの夜には、悪霊や魔術師たちが、戸外で翌年の予報を叫び歩いたということから、現在でも子どもたちが扮装し、カボチャを切り抜いたランプをかかげ、家々を訪ね歩きます。

・創作メモ・ 緑や深緑やオレンジ色でカボチャを折り出し、思い思いに顔を描けば、お化けかぼちゃの出来上がり。ハロウィンの日の真夜中、二人のかわいい魔女がホウキにまたがり、どこからか飛んできました。魔女のぼうしやマント、コウモリなどを黒っぽい色でぬると、カボチャの色が引き立ちます。

12月  「クリスマス」  折り紙作品/ローストチキン(ふつう)

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12月25日のクリスマスは、キリストの生誕祭です。その前日の24日のクリスマスイブは宵祭と言われ、肉を使った料理を避け、クリスマス当日に正式な食事を取る風習がありました。正餐(せいさん・ディナー)の代表的なメニューは、ローストビーフや焼いた七面鳥が一般的でした。その習慣が日本に伝わってから、クリスマスと言えばローストチキンが定番になったようです。

・創作メモ・ ツリーのそばに置かれた、クリスマスプレゼントの箱を開けたら、家族そろって、おいしいローストチキンでお食事です。ローストチキンの持ち手は銀紙でくるみ、赤いリボンを結びます。クリスマスツリーやリースの飾り、プレゼントのリボンなどを明るい華やかな色で塗りましょう。

 

折り紙作品が浮き立つ、壁面に貼った「食の掲示板」 

ホームページ上の画面では、折り紙作品もイラストも同じように平面的に見えますが、実際に壁面に張った「食の掲示板」の、きゅうりや柿などの折り紙作品は、とても立体的に見えます。

「きゅうりもぎ」 折り紙作品/きゅうり (ふつう)

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「大きな柿の木」 折り紙作品/柿 (こまかい)

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イラストを自由な色で塗ったり、たくさんの折り紙を折ったり貼り付けたりと、みんなで作り上げる「食の掲示板」。調理室や教室、廊下などに張って楽しんでください。

 

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