「潮の香りを折り出して」

「漁協」に掲載された、海のエッセイ

真っ青で雄大な海の中には、さまざまな生き物たちが生息しています。
大きなクジラや、かわいいラッコ、ユニークなフグ、波間を飛ぶトビウオ、大群のイワシ、緑のコンブに小さな貝たち・・・。そんな海の生き物たちに思いを込めて書き上げたのが、エッセイ「潮の香りを折り出して」です。 

このエッセイは、「折り紙作家 西田良子の世界」のホームページの構成・テキストを担当している友人の編集者・平野誠子さんが、私の話を聞き書きしてまとめてくれたものです。全国漁業協同組合連合会様発行の小冊子「漁協」に掲載されたエッセイと、海の生き物たちの折り紙作品をお楽しみください。

 

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 折り紙作品  クジラ

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 折り紙作品  イルカ

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 折り紙作品  サメ

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折り紙作品  エイ


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 折り紙作品  ラッコ


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 折り紙作品  熱帯魚

 
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 折り紙作品  ペンギン

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 折り紙作品  カメ

「潮の香りを折り出して」
日本の芸術文化・伝承折り紙

私と折り紙との出会いは、独身時代、勤務先のデザインスタジオで、伝 承折り紙の仕事をしたのが始まりでした。「折り鶴」や「お雛さま」、「兜」、「奴さん」、「福助」など数々の作品を折るにつれ、その繊細さや優雅さにひかれるようになりました。伝承折り紙は室町時代に遊戯折り紙として生まれ、江戸時代に庶民の間に広まったと言われています。「源氏物語」の名場面などでもご存知のように、古き平安時代の貴族社会では、和歌や手紙のやりとりが流行していました。また、紙を使って美しく雅びに贈り物を包むこともはやっていたそうです。当時はそうした折りの家元まで存在し、折り方の方法は各家元によって秘密にされていたそうです。
伝承折り紙についてはこちら→
貴族社会から武家社会へと移行し、鎌倉時代になると、格式ばった武家たちにも、折る作業が広がっていきました。礼法として今でも影響が残っているのが、婚礼や進物ののし、目録などです。やがて鎌倉時代をへて室町時代になると、前述の遊戯折り紙が生まれ、 江戸時代には「折り鶴」などの折り紙が模様として流行し、浮世絵などの着物に描かれるようになったそうです。貴族や武家だけではなく、庶民の間にもやっと折り紙が広がってきたわけです。昔と比べ現代では、紙が誰にでもたやすく手に入るため、世界中の人々が折り紙を折れるようになりました。
ローマ字で書く 「ORIGAMI」は「SUSI」や「KARAOKE」同様、今や世 界共通語となっています。
 
食育にいかす「おいしい折り紙」

伝承折り紙を手掛けた後、フリーランスの折り紙作家として、「ポケッ トモンスター」「アンパンマン」「ドラえもん」などの、キャラクター の『おりがみブック』(小学館様)に関わる機会を得ました。それ以 降、数社の幼年誌に、母子で楽しむ折り紙作品を発表することとなりま した。 折り紙というと、折り図の解説を見ただけで、何となく難しそうと敬 遠される方もいるようです。そこで、幼年誌向けとしては、明るく楽しい作品、折り数が少なく、誰にでも簡単に折れる親しみやすい作品を心 がけました。和風で上品、「静」的なイメージの強い伝承折り紙とはひと味違う、ポップな「ORIGAMI ART」をデザインしたいと考えたのです。 
おりがみブックはこちら→ 
思い返すと転機となったのは、子ども未来財団様の月刊『こどもの栄 養』に連載した、「おいしい折り紙・おいしい絵本」のコーナーでし た。これは、友人の編集者平野誠子さんが、私の子供向けの折り紙作品を見て立案してくれた企画です。毎月旬の食材が登場する絵本を一冊選 んで紹介し、その野菜や果物を折るという連載ページでした。たとえば 6月だと、子供たちに人気の高い「グリーンマントのピーマンマン」 (岩崎書店様刊)をとりあげ、ピーマンの折り方を紹介するという方式 です。四季の食材がモチーフの絵本に触発され、また鮮やかな野菜の色 合いに折り紙がぴったりマッチしたこともあり、たくさんのおい しい作品が生まれました.  
おいしい絵本はこちら→

「いわしくん」と海の生き物たち

「おいしい折り紙、おいしい絵本」の連載記事は、食育ブームの昨今、多方面から注目されるようになりました。親子や保育士の方々等を対象とした講習会の依頼もあり、私と平野さんは、「夢キャラバン」という、絵本の読み聞かせと折り紙の会を立ち上げることにしました。
この頃、彼女から、野菜や果物に限らず、海の生き物も折ってみてはと「いわしくん」(文化出版様刊)という絵本を渡されました。海中でダイナミックに乱舞するイワシたちの躍動感、イワシを食べた少年が、まるでお魚のようにすいすいプールで泳ぐシーン。どの画面からも強烈なインパクトを受けました。その絵本を読み、大いに海のイメージがふくらんで、イワシからはじまりサンマ、クジラ、フグ、タコ、イカ、エビ、カニ、コンブ、ハマグリ、等様々な海の生き物たちを折るようになりました。動きを出すため、タコやイカはハサミで切って足を作り、それらを二、三本折り返し、泳いでいるように見せます。また魚独特のくるんとした目は、白いシールを貼り、上からマジックで黒丸を描けば出来上がりです。



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 折り紙作品  トビウオ


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 折り紙作品  エビ・カニ


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 折り紙作品  タツノオトシゴ


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折り紙作品  タイ 


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折り紙作品  フグ 


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折り紙作品  コンブ・イカ・タコ

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折り紙作品  サザエ

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 折り紙作品  ホタテ
 
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折り紙作品  ハマグリ・シジミ

講習会では、魚を焼く網や、お皿とお箸、海の波や泡などを印刷した台紙を用意して、折り上げた作品をそこに貼ってもらいます。それからクジラが吹き上げる潮や、イワシが焼ける時の煙などを描きます。タコの口や吸盤なども、お子さんたちに自由に描かせます。折る、切る、描く、貼ると、たくさん楽しんで、一人一人の個性が出たユニークな作品が仕上がります。

折り紙でコミニケーションを

夢キャラバンの活動をとおして一番強く感じるのは、折り紙が親子の触れ合いのとてもよい道具になるという点です。三月のNHKでのイベント「ふるさとの食・にっぽんの食」には、お母さんだけでなくお父さんたちも参加し、小さなお子さんといっしょに、熱心にお魚を折って下さいました。この頃は、魚離れが進んでいるそうですが、様々な形の海の生き物を折ることで、少しでもお魚に興味を持ってほしいと思います。

 

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折り紙作品  イワシ 


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 折り紙作品  サンマ


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折り紙作品  アサリのみそ汁 


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 折り紙作品  カレイ



折り紙には、端と端をていねいに合わせて折るため、集中力を養うという効用があります。加えて色彩感覚や観察力も育むので、幼児の知育にはかかせないアイテムです。また手先を使うため脳の活性化にも役立ち、リハビリなど医療の現場でも注目されています。
日本ならではのたおやかな「伝承折り紙」、ポップで明るい「ORIGAMI ART」――これからも老若男女にむけて、様々な折り紙の魅力を幅広く伝えていきたいと思っています。   (聞き書き 平野誠子)

 全国漁業組合連合会様のホームページはこちら→

※コア・プランテックでは、「畜産折り紙」として、牛や豚、ニワトリなどの折り紙作品を制作しています。さまざまな海の生きものの折り紙作品を、たとえば「漁業折り紙」としてご使用になりたい場合は、下記のアドレスまでご連絡ください。全国の漁協組合や水族館、お魚の缶詰・魚肉ソーセージ等の商品を作られているクライアント様からのご依頼も、合わせてお待ち申し上げます。

r-n-plan@amber.plala.or.jp 

 

畜産折り紙についてはこちら→

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